日本の永住権は取得が難しい?【メリットや申請方法を紹介】

記事更新日:2020年08月11日 初回公開日:2020年08月05日

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「永住権」と聞くと「取得するのが困難ではないか?」「多くの書類を準備しなければいけないのでは?」といった疑問や不安が浮かぶかもしれません。外国人が日本で働くには、目的に応じた就業ビザを取得する必要がありますが、永住権との違いなどはあまり知られていません。外国人採用を考えている企業にとって、条件に当てはまらない外国人を雇ってしまうと不法就労になってしまい、処罰の対象になるなどリスクもあります。今回は、永住権や在留資格の基礎知識から、申請方法や必要な書類まで詳しく伝えします。

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日本の永住権とは

「永住者」という在留資格の事

永住権とは、日本に住んでいる外国人が在留に制限なく日本で暮らすことが出来る在留資格のことを指します。在留資格は、日本に生活の拠点を置いて、その後の人生を過ごすことであり、在留期間や活動にも制限が加えられません。つまり、他の在留資格において定められている活動はもちろん、別の労働(収入)を行うことも可能になります。労働に関する取り扱いは日本人と同じになり、安定した生活を送ることができます。そのような特別な在留資格である永住権なので、取得するのは簡単ではありません。

外国人の日本での行動を広げる

日本に住む外国人が期間を制限されることなく、日本で生活することが認められたものが永住権です。在留資格は、日本に生活の拠点を置いて、その後の人生を過ごすことであり、在留期間や活動においても制限が加えられません。つまり、他の在留資格に定められている活動はもちろん、単純労働を行うことも可能です。このように、就労に関する取り扱いは日本人と同様であり、安定した生活を営むことが可能となります。そのような特別な在留資格である永住権なので、取得するのにもとても厳しい条件があります。

日本の永住権のメリット

就労制限がなくなる

外国人が日本で就労するには、日本政府からの許可が必要です。その中でも、就労に制限がないのは永住権を持った永住者になり、それ以外の外国人は目的ごとの在留資格が必要です。在留カードの就労制限の有無を命じる欄には「在留資格に基づく就労活動のみ可能」と書かれており、認められた仕事以外での就労は認められていません。例えば、理工系エンジニアなどに与えられる「技術・人文知識・国際業務」が許可されている外国人が、工場の製造ラインで業務することは違反です。「資格外活動」をしていることになり、不法就労になります。

在留資格の更新が楽になる

在留資格(就労ビザ)には、在留期間があり継続して日本に残りたいのであれば、更新手続きを行なわなければなりません。日本は世界的にみても在留資格の更新には厳しい国と言われています。在留期間の残り3ヶ月前から在留期間の末日までが申請期間となり、申請期間手続きをすれば必ず認められるということはなく、審査基準をクリアしなければ更新できません。しかし、永住権を取得していれば、就労制限がなくなるのでこのような面倒な手続きはなくなり、審査に落ちて働けなくなるといった不安もなくなります。

日本の永住権の取得条件

基本的に法令違反があってはならない

日本の永住権を取得するにあたり重要視されるのが、日本の法律に違反した人物でないかどうかです。世界的にみても安全な日本の脅威となる存在に永住権を出すことはできません。日本の法律を守り、社会的に非難されることのない生活を営む必要があります。とくに飲酒運転はもちろん、スピード違反を繰り返しているなど、交通違反がある場合は不許可になる可能性が非常に高くなるでしょう。基本的に窃盗や強盗などの刑事事件になる犯罪者には永住権は与えられることはなく、条例違反など罰金刑の法令違反も対象になります。

独立性があること

独立性があるかというのは、独立して生計を営むだけの資産や技能があるかどうかということです。日常生活において、公共の負担になることなく、個人が持つ資産や技能から見て、安定的した生活ができるのか判断されます。これは永住許可申請をする本人にのみ適応されるものではありません。世帯全体で考慮されるため、配偶者や子供などは扶養されているとみなされ、配偶者に収入がなくても大丈夫です。目安としては世帯年収が300万円以上が望ましく、収入を証明するための審査には、直近3年間の課税証明書の提出が求められます。

国益適合要件を満たしていること

基本的に10年以上日本に在留していることや納税義務など、日本に住むにあたり公的義務を履行していることが挙げられます。ただし、10年間のうち「技・人・国」などの在留資格で6年間以上において日本に滞在していることなど、期間以外にも細かく規定されています。また、罰金刑や懲役刑等を受けていないことなども必須条件となり、税金の未納があってはけません。ただし、日本人との婚姻関係があり、婚姻生活が3年以上続き、1年以上日本に在留している場合などは在留期間が10年に達しなくとも永住権が認められる場合があります。

日本の永住権の申請方法

必要書類の提出

申請書

永住権を取得するためには、まずは入国管理局が用意する申請書に記入しなければなりません。2019年の永住ガイドライン改定によって、求められる書類が増え、審査対象範囲も拡大し、今まで以上に審査が厳格化されました。申請書類は、申請する人の在留資格の種類によって異なり、入国管理局のホームページに掲載されている必須書類以外にも、実際の審査実務では任意書類も必要になります。申請する人の状況に応じて、入国管理局へ補足説明したいことや手続きを有利に立証するため書面も必要です。

写真

申請書には、横30mm×縦40mmの申請者本人のみが写った写真が必要です。その他、帽子を被っていないこと、背景がないものなど細かなルールが定められています。また、提出日前の3ヶ月以内に撮影されたものでなければいけません。16歳未満の人は写真の提出は不要ですが、写真の裏面には氏名や申請者の国籍、生年月日を記入するなど細かなルールが規定されています。写真全体に対する顔の大きさ、中心位置などパスポート以上に厳しく決めてれているので写真を撮る前に必ず法務省のホームページをチェックするようにしましょう。

立証書類

申請する人の在留歴や学歴、職歴などを記載した年表に加え、住民票や今住んでいる賃貸借契約書のコピーが必要になります。また、自宅の外観や玄関などの写った写真や家族と写っているスナップ写真3枚以上など立証する書類と写真も用意しなければなりません。偽装結婚で永住権を取得しようとする人もいることから、写真の提出も必須条件となっています。立証書類には、預貯金通帳や大学などの最終学歴の卒業証明書コピーも必要になるので、母国から書類を取り寄せる必要がある人は早い段階から準備するようにしましょう。

在留カード

申請書類には、日本に中長期滞在する外国人に義務付けられている在留カードも必要になります。外交または公用の在留資格や特別永住者などでない限り、義務付けられている在留カード。カードを紛失してしまったり、有効期限が過ぎても更新していない場合は、更新がかなり難しくなります。また、在留カードがない状態で就労すると不法就労となり強制送還などの対象になることも。在留カードは有効期限が終わる2ヶ月前から更新できるので忘れないように必ず更新しておくようにしましょう。

資格外活動許可書

日本に在留する外国人は、就労や留学など日本で行うそれぞれの活動に合わせて在留資格を与えられます。許可された在留資格以外に収入を伴う事業を運営したり、報酬を受ける場合に必要なのが資格外活動許可書です。在留資格以外に収入や報酬を得る場合、入国管理局から事前に資格外活動の許可を受けていなければなりません。許可を得ないで収入を得てしまうと不法就労として罰せられます。申請書には、この資格外活動許可書の提出も義務付けられています。資格外活動許可申請書に在留カードを添付し入国管理局・支局に申請しましょう。

旅券か在留資格証明書

旅券とはパスポートのことで多くの人にとって馴染みのあるものでしょう。一方の在留資格証明書は、外国人が旅行などの短期滞在以外の目的で日本に上陸しようとするときに法務大臣が滞在を許可した書類です。つまり、対象の外国人が日本に入国しても良いということを示すもの。在留資格認定証明書は、日本大使館・領事館で提示し、日本入国に必要なVISAの発給を受けるのが一般的です。有効期間が3ヶ月と短いため、在留資格証明書よりも旅券を申請書類に提出するケースが多いでしょう。

身分証明書

申請する人の所持する在留資格によっても変わってきますが、それぞれの身分を証明するものを提出しなければなりません。申請人が日本人の配偶者である場合は、配偶者のの戸籍謄本など。また、会社等に所属している場合は在職証明書、自営業である場合は確定申告書控えの写しなども必要です。法務省のサイトでは、標準処理期間は4か月となっていますが、平均的には6か月前後、最長で8か月かかると言われています。また、コロナウイルスの影響でさらに延びることが予想されるので、6か月以上かかると考え、余裕を持って申請するのが良いでしょう。

日本の永住権と帰化申請の違い

帰化とは日本の国籍を取得する事

帰化とは、 外国籍の人が日本国籍を取得し、日本人になるということです。帰化できるかどうかは、法務大臣に権限があり、帰化の許可が出ると選挙権や就労にも制限がなく、どんな仕事にも就くことが可能になります。永住権以上に厳しい審査基準があり、帰化許可申請書や親族の属性を記載した書類に加え、収入などの生計のを記載した書類など、安定した収入がなければなりません。日本のパスポートも取得出来るようになり、一定の基準を満たせば日本国籍でオリンピックやワールドカップなどの大会にも日本人代表として出場することはできます。

帰化は永住権と異なり日本人として対応される

永住者はあくまで外国人(外国籍)の状態ですが、帰化すると日本人として対応されるため、公的機関の社会保障なども受けることができます。そのため、永住権の申請よりも難易度は高く、日本の帰化申請の難しさは海外メディアにも紹介されるほどです。日本は医療保障などが手厚いため、帰化を求める外国人は多く、今後も難易度が下がることは考えにくいでしょう。帰化申請では、弁護士などを代理人とした場合でも面接や筆記試験があり、入念な準備と時間的コストが掛かることを覚悟しなければなりません。

永住権の取得は難易度が高いです

永住権を取得できれば、日本での在留期間や活動の制限がなくなるため、面倒なビザの更新手続きや申請で不許可になる不安からも解放されます。また、雇う企業側も安心して雇用できるメリットがあります。また、日本での信用も上がるので銀行から融資を受けやすくなったり、ローンを組むこともできるのでいろいろな活動の幅を広げることができるでしょう。自身の努力と準備も大切ですが、行政書士など専門職にサポートして貰うなど、多少のコストはかかっても費用対効果の良いこともあるので検討してみてくださいね。

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